<寿式三番叟(ことぶきしきさんばそう)について>
私たちが保存会から教えていただいたのは、「寿式三番叟(ことぶき しきさんばそう)」です。
三番叟は、神事(しんじ)やおめでたい行事のはじめに上演される演目(えんもく)です。舞台が、楽しく、安全におこなわれるよう、祈りをこめて演じます。
<寿式三番叟の特徴>
★景事(けいごと)の演目で、天下泰平(てんかたいへい)を祈る儀式曲「翁(おきな)」の後半部分です。
★正月や特別な行事、あるいは芝居の前などに、場を清めるために舞われる式舞です。
★2体の三番叟が、鈴を振り、足を踏み固めながら舞い、五穀豊穣(ごこくほうじょう)、国土安寧(こくどあんねい)を祈ります。
<詞章の要約 (保存会指導版)>
おおさえ おおさえ
おお 悦(よろこ)びありや 悦びありや
我がこのところよりも
ほかへはやらじとぞ 思う
【大意】
「大きな栄え
なんと喜ばしいことではないか
私はこの喜びを
どこへもやりたくないと思うよ」
そなた こそ
初日は 所願満足円満(しょがんまんぞくえんまん)
二日の日はまた二ツ柱
うずめの神子(みこ)が舞の袖
五月(さつき)の サ女房が
笠の端(は)をつらねて
早苗(さなえ)おっ取り
打ちゃ上げて謡(うと)うた
三番叟が登場
「鈴の段」の
はじまりの部分
「うずめのみこ」=
アメノウズメ・舞踊の元祖
千町 万町 億万町
田をば ぞんぶりぞ
田をば ぞんぶりぞ
ぞんぶり ぞんぶり
ぞんぶりぞ
御田(おんた)を植えるならば
笠を買うて着しょうぞ
笠買うてたもるならば
なおも田を植おうよ
そんぶりぞ=
田んぼに入ったときの
ボチャっという音
苗を植えていく音
【大意】
「苗を植えるなら
笠を買って
かぶらせてくださいな
そうしたらもっと植えますよ」
三日は 福徳(ふくとく) 寿福(じゅふく)
円満 子徳人(ことくじん)の子宝
車座に並べた
辰松(たつまつ) ゆる松
かいつく ひっつく
火打袋(ひうちぶくろ)を
ぶらりと付けて候(そうろう)ぞ
これ式三の故実(こじつ)にて
三日(さんじつ)これを舞うとかや
(以下つづく)
子孫繁栄を祈ることば
たくさんの子どもたちを
一同にならべた
ニコニコ家族の図